金曜日の夜の本棚、波打ち際の本棚、遠ざかる本棚。
詩のようなテーマに沿って並んだ本の配置は絶妙で、背表紙のデザインの美しさにほれぼれします。時を経た古い本の風合いも渋いです。
『おかしな本棚』
著者:クラフト・エヴィング商會
出版社:朝日新聞出版
著者の吉田篤弘さんは、これは本の本ではなく、本棚の本だといいます。自分が本当に好きなのは、本を収めた本棚や本立ての方なのかもしれないと。
「森の奥の本棚」にある『日本橋檜物町』という本。「あれ? これ都会の話みたいだけど」と意外に思うのですが、著者が森に持って行きたいのは自然の本というわけではなくて、「山荘で心静かに読みたい本」なんですね。だから、森で退屈した時のために、パリを写したブレッソンの写真集も紛れ込ませてある。本棚のテーマと実際に並んだ本のずれが面白いです。
本棚に好きな本を見つけると嬉しくなります。植草甚一さんの本は「とっておきの本棚」に、杉浦日向子さんの『4時のおやつ』は「声が聞こえる本棚」にありました。ほかにもいろいろ。明日のカフェボンボンは、本棚つながりで、「美しく年老いた本棚」の一冊をご紹介したいと思います。
本のお供には、カフェ・ロマーノをいかがでしょう。エスプレッソにレモンの皮や絞り汁を加えたイタリアの飲み物です。さわやかなレモンの香りが想像力を刺激します。
Love, まっこリ〜ナ