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本のなかの女性たちを巡るエッセイ集『彼女のいる背表紙』

 

今日のカフェボンボンは、『彼女のいる背表紙』

作家・堀江敏幸が本のなかで出会った女性たちとの思い出を語る。静かで味わい深いエッセイ集です。

20150503

彼女のいる背表紙
著者:堀江敏幸
出版社:マガジンハウス

背表紙のむこうに、彼女がいる。作家は「彼女」のもとを訪れ言葉を交わす。かつて出会った女性たちを巡る書物の旅へ。フランソワーズ・サガン、マルグリッド・デュラス、トーベ・ヤンソン、エレナ・ポーター、佐多稲子ら、さまざまな作家の作品に登場する女性たちへと読者を案内する。

そこには生きた時代も年齢も異なる女性たちが待っている。著者がページを開くと、止まっていた時間が動きだし、背表紙の向こうの世界が鮮やかに色づく。書物のなかの彼女たちの頬に赤みが差し、生き生きとしたおしゃべりが聞こえてくる気がする。

「本のなかの彼女たちは、永遠に変化しない」そんな彼女たちと再会することで、著者は年を重ねた自身の変化を感じとってゆく。

背表紙の彼女の「朝時間」は、小沼丹の小説『黒いハンカチ』より。
名前はニシ・アヅマ。赤い縁のロイド眼鏡が魅力的な女性です。

Love, まっこリ〜ナ

 

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Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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