今日のカフェボンボンは、『柔らかな犀の角』。
俳優・山﨑努の本にまつわるエッセイ集。書評から近所の野良猫、映画のロケや旅、演技論へと、話は深く豊かに広がっていく。
『柔らかな犀の角』
著者:山﨑努
出版社:文藝春秋
名優の語り口には、独特の雰囲気が漂う。なじみ深い声と表情を想像しながら読むからか、まるで一人芝居を見ているかのよう。
『オン・ザ・ロード』の若者の冒険に共感し、アラーキーの写真集に興奮して活力をもらう。『老人と海』の老漁夫の食事を試してみたりもする。本を頭だけで読むのではなく、身をもって味わっている。
好きな言葉は「どんぶらこ」。日常の暮らしは予測不可能。ドラマのようにはいかない。だから「われわれは流れに従ってどんぶらこーと下っていくしかない」。
どんぶらこ。そうつぶやいてニヤリと笑う山﨑さんが思い浮かぶ。いつも散歩に行くという多摩川の岸辺に立って。
Love, まっこリ〜ナ
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