朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『古くて素敵なクラシック・レコードたち』。
作家の村上春樹がクラシック音楽のレコードについて綴った本、新刊です。ずっと聴き続けてきたレコードを美しいジャケット写真とともに紹介します。
『古くて素敵なクラシック・レコードたち』
著者:村上春樹
出版社:文藝春秋
楽しくて美しい本だから、一気に読んでしまうのがもったいない。スローに数ページずつと思うのだけど、次はどんなジャケットが並んでるんだろう、どんな演奏についての話だろうと気になって、どんどん読み進んでしまう。
主にジャズのレコードを収集している著者がこの本で語るのは、昔から好きだったというクラシック音楽のこと。60年近くこつこつと買い集めてきた膨大なコレクションから、とくにお気に入りの486枚を選んで紹介しています。
「僕はときどき一時間くらいぼんやり床に座り込んで、気に入ったレコード・ジャケットを次から次へと、手にとって眺めていることがある。時々匂いを嗅いでみたりもする。それだけでけっこう安らかな気持ちになれるから」——。音楽を聴くだけにとどまらない、レコードの持つあたたかさと優しさを感じます。
著者がクラシックを真剣に聴き始めたのは高校生の頃。ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲を何度も繰り返し聴いて飽きなかった。高校二年生のときに神戸のコンサートホールで聴いたドビュッシー。まだ耳に残るその音がレコードを聴くたびよみがえる。一枚のレコードを通して、著者の姿が目に浮かんでくる。とくに作家になる前、とても若い頃の村上春樹をイメージできるのが楽しい。
お気に入りのなかには「このレコードを褒めている人を、僕は僕自身以外に一人も知らない」というものもある。そんな特別な一枚を聴いてみたいです。若々しくカラフルな音楽エッセイをぜひどうぞ。
村上春樹さんの本、以前ご紹介したこちらもぜひ。
*短編小説集『一人称単数』
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
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