朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『おいしいものと恋のはなし』。
おいしい料理と恋の物語が五感を刺激する9篇。作家・田辺聖子が大阪の街を舞台に描く傑作恋愛短篇集です。おうち読書にぴったりの素敵な一冊をどうぞ。
『おいしいものと恋のはなし』
著者:田辺聖子
出版社:文藝春秋
好きな男がなかなか煮え切らない。女ごころがわからない。ハラハラしたりイライラしたりしながらも、どうしたってその男に惹かれてしまう。
結婚する気のない恋人との一泊旅行を描く「ずぼら」の主人公・たまみもそのひとり。「一抹の、不安な感じが、ためいきのように彼をとりまいている、そこも好き」と、酒ばかり飲んでずぼらな恋人の塩田をほっとけないでいる。でも、こうしてふたりで旅に出ればときめいて楽しくて、「横にいられると、しみじみ、体も心も、ほとびてくる気がする」——。
物語の女性たちが好きな人のいいところを語る言葉に、かわいい恋ごころがにじみでているようで、ぐっときます。そして、なかなか愛の言葉を口にしない相手の男性たちも、本当は心の機微をわかっているのだと思います。
また、田辺聖子さんの小説ならではのおいしそうな料理のシーンもたくさん散りばめられています。あつあつのおでんやお酒がふたりの心の距離が近づける。じんわりと気持ちがあったまっていくときもあるし、思いがけないほどぐっと高まるときもあるのが、恋とおいしいものの味わい深いところです。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
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