朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『春情蛸の足』。
あけましておめでとうございます。昨日に引き続き、初春にぴったりのとっておきの一冊を。作家の田辺聖子が大阪を舞台に描いた、おいしい食べものと恋の物語です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
『春情蛸の足』
著者:田辺聖子
出版社:講談社
おなかがすいて、夢中で食べて、おいしくて心がほどける。そんな幸せな瞬間をこの作品で何度も味わった。
「慕情きつねうどん」では、大のきつねうどん好きの主人公の浦井が、会社近くのうどん屋で出会った女性に恋をする。いつも一人でやってきて、きつねうどんを食べる彼女に惚れてしまう。油揚げの食べ方、うどんのすすり方、おつゆの飲み方、それにその人の風情も、何もかもが好ましいのだ。
「このごろの人間はみなあわただしく、ほんとにうどんを愛して、というような人間はいないように浦井には思える」。そんなふうに感じていた浦井にとって、きつねうどんをいとおしむように食べる女だけが人生の彩りとなっていく。ある日、憧れのその人と相席をすることになって——。
おでん、すきやき、たこやき、お好み焼き、てっちり……。おいしい料理と恋ごころが人生を味わい深くしてくれる。その先にあるせつなさもほろ苦さもすべて包み込んで。
表題作の「春情蛸の足」をはじめ、「人情すきやき譚」「お好み焼き無情」など8篇を収録しています。
田辺聖子さんの食と恋の本、以前ご紹介したこちらもぜひどうぞ。
*『おいしいものと恋のはなし』
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
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