今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『台所のラジオ』。
『つむじ風食堂の夜』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』などの作品で知られる吉田篤弘の心温まる短編集。台所のラジオを聴く人たちの物語を静かな筆致でつづります。
台所のラジオのスイッチを入れると、しっとりとした女性の声が流れてくる。夕方のニュースや葉書を読むこの声に、ふと心を動かされる人たちがいる。彼らはみな、それぞれの思いを抱えながらラジオに耳を傾け、そこからまた物語がつながっていく。
食卓の古いトランジスタ・ラジオを聴きつつひとりごはんを食べながら、デリバリー・ピザのチラシを眺めながら、フランス・パンをかじりながら、編み物をしながら……。
そんなふうに台所でラジオを聴く人たちに、ある時小さな奇跡のような一瞬が訪れる。ラジオの音もおいしい料理の匂いも冬の夜にすっと溶けていくようです。
『台所のラジオ』
著者:吉田篤弘
出版社:角川春樹事務所
Love, まっこリ〜ナ
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