今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『夜中にジャムを煮る』。
わたしの味ってなんだろう? その答えは台所にある。エッセイスト・平松洋子の料理をめぐる、味わい深いエッセイ集です。
『夜中にジャムを煮る』
著者:平松洋子
出版社:新潮社
つくるよろこび、食べるよろこび。おいしい匂いがたちこめる台所に、その両方が満ちてくる。
著者の台所には、いくつもの忘れがたい思い出がある。子供の頃の台所は、いつもうれしい場所だった。せがむとお母さんがチキンライスをこしらえてくれた。料理のむずかしさを知った一人暮らしの台所、幼い娘のために湯を沸かした真冬の夕暮れの台所。
台所が「わたしの味」を育ててくれた。そんな日々のなかで、食べることとつくることが少しずつ近づいて重なっていく……。
台所のよろこびを見つけるのが本当に上手い人だと思う。夜中にジャムを煮るのもそのひとつ。夜ふけの静けさに包まれて「ゆっくりとろけてゆく果実をひとり占めにした」あとには、ただ幸福な朝が待っている。
台所は自分だけの秘密のたのしみを見つける場所でもあるのですね。夜の台所しごとが朝のしあわせにつながっているところが素敵です。おいしい朝ごはんもたくさん出てきます。台所への愛しい想いがあふれる一冊をどうぞ。
Love, まっこリ〜ナ
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