朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『こころとお話のゆくえ』。
臨床心理学者、心理療法家の河合隼雄が、人の心や文化のゆくえについて綴ったエッセイ集。物事にはさまざまな見方があると教えてくれる一冊です。
『こころとお話のゆくえ』
著者:河合隼雄
出版社:河出書房新社
子どもの頃から妙に理屈っぽかったという著者は、いつも「なぜ」を連発し大人を困らせていた。そのクセはずっと変わらず、問題を解決するまで「はてな」で宙ぶらりんになった気持ちが落ち着かない。しかし、理詰めで問いかけるクセが強くなりすぎると、世の中がギスギスしてくるという。
そんなとき、論理によらない解決法もあることを、著者はある面白い例を挙げて紹介します。それは心を「収める」というちょっと日本的な解決法。心の葛藤やもやもやが収まっていると感じることを大切にする考え方なんですね。気持ちがすとんと落ち着くことでうまく収まる、解決することもあるのかもしれません。
どちらがいいとか悪いとかではなく、物事の解決法はひとつじゃない。視点を変えると違った面が見えてくることに気づきます。
また、自然との共生への取り組みから生まれた「おもしろ精神」と「もったいない精神」にまつわる話も面白い。困難に直面したときも、この両方の精神がうまく重なり合うと「一挙に心は自由になり、新しい工夫が生まれてくる」——。
ユーモラスでわかりやすい語り口に惹きつけられます。幼い頃から「お話」が好きだった河合先生。紙芝居屋さんが憧れの職業だったそうです。
河合隼雄さんの本、以前ご紹介した茂木健一郎さんとの対談集もぜひ。
*『こころと脳の対話』
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
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