朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『東京百景』。
以前、カフェボンボンのこちらの記事でご紹介した本が文庫化され新登場です。
又吉直樹が青春の日々を綴った、心にしみる自伝的エッセイ集。東京タワー、お台場の夜空、首都高速から見る風景。さまざまな東京の景色が「僕」の思い出と重なってゆく。
『東京百景』
著者:又吉直樹
出版社:KADOKAWA
東京の喧騒のど真ん中で、男がひとり途方にくれている。上京したての十八歳の「僕」はまるで、江戸時代からタイムスリップした侍みたいだ。見知らぬ街に迷い込みさまよい歩く。どこにもたどり着けない不安をいつも抱えて。
眠れずに迎えた朝や職務質問を受けた夜、くるりの『東京』を聴いた。神社の池の亀に悩みを打ち明けたりもした。東京は果てしなく残酷だけれど稀に優しいという。武蔵野の夕陽や遥か遠くの花火もそんな風景のひとつだと思う。
「十九歳の僕は東京に出て来たことを後悔していた」「自意識の捨て場所を探していた」「死にたくなるほど苦しい夜には、これは次に楽しいことがある時までのフリなのだと信じるようにしている」おかしくってせつない彼の東京が、むき出しの魂に触れてくる。
文庫化に際し新たに書き下ろされた101篇めの風景には、相方とのエピソードが綴られています。一歩前へ、怯えながらも前に踏み出したくなる。そんな気分にさせてくれる一冊をどうぞ。
又吉直樹さんの本、先日ご紹介したこちらもぜひ。
*『蕎麦湯が来ない』
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
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