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せきしろ×又吉直樹『蕎麦湯が来ない』何気ない日常が胸に迫る一冊

 

朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。

今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『蕎麦湯が来ない』

「写真にうつらない月を仰ぐ」(又吉直樹)
「誰もいない時計店で動いている針」(せきしろ)

異才・せきしろと又吉直樹が詠む自由律俳句集、シリーズ第三弾です。心に響く404句と散文50篇を収録しています。自由な韻律で詠む俳句の世界をどうぞ。この春の私のイチオシ本、新刊です。


蕎麦湯が来ない
著者:せきしろ/又吉直樹
出版社:マガジンハウス

ふたりの句を追いかけていたら、心に風が吹き抜けた。原っぱのまんなかにいるみたいに気持ちいい。

「ふぅふぅが口笛になった」(又吉直樹)
「そうだふりかけがある」(せきしろ)
「晴天だが雲も描いた」(又吉直樹)
「おかしいな誰もいない」(せきしろ)

日常の何気ない風景や出来事に、著者が一瞬心を奪われる。そんなふとした瞬間の無防備な表情がそのまま短い言葉になったかのようです。

「カツ丼喰える程度の憂鬱」(又吉直樹)
「憂鬱を切り裂く保育園児の散歩」(せきしろ)

こんな句も好き。つぶやきのような、問いかけのような言葉たち。せつなかったりおかしかったりする句やエッセイに心をノックされっぱなしでした。

ある日、又吉さんが後輩と一緒にエレファントカシマシのライブへ、野音の外に音漏れを聴きに行く。それは素晴らしく楽しい夏の終わりの一日のこと。いま、世界が不安なこの時期に読むと、よけい胸に迫ります。こんな素敵な風景がいくつも詰まった一冊をぜひ。

以前ご紹介したシリーズ第二弾、こちらもぜひどうぞ。
『まさかジープで来るとは』

ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ

「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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