朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、「まあいいか」と思える本。
いろいろうまくいかなくてため息が出てしまう。そんなとき「まあ、いいか」と気を取り直せたら、気持ちがずっと楽になるかもしれません。毎日いろいろ大変だけどそんなこともあるよね、と思える2冊を選びました。つらいときはひと息ついて、心がほぐれる本をぜひどうぞ。
ささやかな幸せ。
お仕事小説などで人気の津村記久子の小説集。「カソウスキの行方」の主人公の女性・イリエは、自分のいる場所にしっくりこない。入社して6年、本社から閉鎖対象である郊外の倉庫に左遷され、文具の通販カタログに読みふける日々。先が見えない毎日が続くなかで彼女が思いついたのが「カソウスキ」。人生への意欲を仮想的に満たそうと、同僚の男性を仮想好きになってみると……。
3つの物語の主人公たちは、他人にふりまわされて自分を見失いそうになりながらも、ぎりぎりのところで踏みとどまって生きている。そのとどまりかたにグッときます。今、目の前にある小さな幸せを大事にしよう。明日は明日の風が吹くなんて思えてくる素敵な本です。
『カソウスキの行方』
著者:津村記久子
出版社:講談社
自分のできることを。
人気イラストレーター・益田ミリが、32歳の書店員男性を主人公に描いた四コマ漫画。本の話から仕事や結婚にまつわるエピソードにじんわり心が温まります。
書店員歴10年の土田新二くん、いつも書店のお客さんに真摯に向き合います。ある日、一人暮らしを始める息子のために料理本を探すお母さんに、おすすめの本を案内します。その夜、久しぶりに夕食を作る土田くん。ごはんを食べながらふと夜空を見上げて思うのは、オレの人生の意味ってなんなんだろう——。本をめぐる日々の小さな出来事が、はるか遠くの宇宙までつながっていく。一冊の本のなかにも宇宙があるのかもしれません。
土田くんを見ると、自分のできることを頑張りたいという気になるんです。それがほんのささやかなことだったとしても。明日がちょっと幸せになる一冊をどうぞ。(『オレの宇宙はまだまだ遠い』を改題し文庫化した一冊です。)
『世界は終わらない』
著者:益田ミリ
出版社:幻冬舎
くわしくはこちらの記事をどうぞ。
*『カソウスキの行方』
*『世界は終わらない』
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
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