朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『日本のヤバい女の子』。
昔話の女の子とたちはものすごく怖くてどこまでも可愛い。テキストレーターのはらだ有彩が、昔話や民話に登場するエキセントリックな「女の子たち」の素顔に迫る、斬新なイラストエッセイ集です。
『日本のヤバい女の子』
著者:はらだ有彩
出版社:柏書房
求婚者たちに無茶な贈り物を要求するかぐや姫、男に捨てられた怒りと悲しみで蛇に変身する清姫。昔話に登場する女の子たち、たしかに相当「ヤバい女の子」にちがいない。常識なんて飛び越えて、極端な行動に走っちゃう。「見てはいけない」という約束を男が破ればどうしたって許さない。たとえば愛しいイザナギを黄泉の国から追いかけたイザナミのように。
著者はそんな昔話の女性たちに「私たちと変わらない一人の女の子」として思いを寄せ、決められたストーリーや役割から抜け出してあの時のことを教えてよと語りかけます。飯食わぬ嫁や鬼神のお松のように「キレる女の子たち」、かぐや姫のように「人間やめる女の子たち」、牡丹灯籠のお露のような「殺す女の子たち」などをテーマに、彼女たちのストーリーを新たに描き出します。
『怪談 牡丹灯籠』のお露は好きな男のもとに通うとき、からんころんと下駄を鳴らして歩いた。幽霊なのにあえて歩いたのは、着飾って武装して、魂を振動させるため——。私たちは「お露のように好きな靴をはいて好きな場所へ行ける。かっこいい靴があればどこへだって行ける」という言葉にグッときました。
生きづらかったよね。でも、妥協したくなかったんだよね。本当に恋い焦がれてたんだもの。昔話に閉じ込められていた女の子が、こんなふうに今すぐそばで、私たちにささやきかけているみたい。彼女たちのピュアで可憐な素顔が浮かび上がってきます。
あの女の子たちがいまもどこかにいて、好きなように生きているといいなあ。自由奔放で思い込みが激しいとこなんかはそのままで。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
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