今日のカフェボンボンは、『雪の中の三人男』。
高級ホテルで巻き起こる珍騒動と人生模様を、ユーモラスに描いた物語。
『飛ぶ教室』や『エーミールと探偵たち』でおなじみのケストナーの小説です。
『雪の中の三人男』
著者:エーリヒ・ケストナー/訳:小松太郎
出版社:東京創元社
スイスの高級ホテル滞在の旅を懸賞で当てた百万長者。
彼は人社会勉強のため、すかんぴんの別人に変装し、
下男をつれてお忍びでアルプスへ旅立つ。
一方、懸賞のもうひとりの受賞者、失業青年もやってくる。
高級ホテルはこのふたりを取り違え、
青年を貧乏なフリをした大富豪と勘違いしちゃって大騒動。
ホテルの従業員は青年に下へも置かぬもてなしをし、
女性客たちは彼をどこかの国の皇太子と思い込んですり寄ってくる。
百万長者本人は、暖房もない屋根裏部屋へ押し込められ……。
大きな子どものような大富豪と失業青年、旦那さまに心から尽くす下男。
愛すべき三人の男たちを見つめるケストナーのまなざしはどこまでも温かい。
アルプスのダイヤモンドを散りばめたような星空の下で、
三人が雪だるまを作るシーンがとても好き!
この季節にぴったりの心温まる本。
ぬくぬくとして読んでくださいね!
以前ご紹介した『点子ちゃんとアントン』もおすすめです。
Love, まっこリ〜ナ