グリンピースってカエルの名前なんです。これはグリンピースの住む家のお話です。
一面の落ち葉のなかに缶詰がひとつ。じつはこの缶詰は玄関で、そこからどんどん地面の下へおりていったところにグリンピースの家はあります。
『グリーンピースのいえ』
作・絵:及川賢治/竹内繭子
出版社:教育画劇
部屋は家具もインテリアも驚きの充実ぶり。とても住みやすそうです。ピアノのソファにタイヤのお風呂、手袋のベッド、本もたくさん。グリンピースがひとつひとつ集めたのでしょうか。
でも、なんだか変。小さなカエル一匹が住むには部屋が多すぎる気がするし、彼の宝物の薬びんにも少し違和感がある。こんなにたくさんの色とりどりのびん、どこから集めたのかな。それともここは……。
地面のずうっと下で幸せにくらすカエルと、缶詰のほかには何も見えないしんとした地上の世界。心にさまざまな問いかけが浮かんでくる。
ひょうきんなカエルがかわいいだけでは終わらない、どこか不安な気配を残す絵本です。
Love, まっこリ〜ナ