(この物語は…毎朝のヨガ習慣をはじめてから108日目を迎えた、ヨガが好きなOL 紗季に、久々に起こる、恋と仕事の変化。朝のヨガスタジオで巻き起こる男女のハートフルなラブストーリー。小説のストーリーに合わせ、毎週おすすめヨガポーズをご紹介します。
Week 6は、再び、主人公の紗季がつとめる会社の事務系OLしおりの視点でストーリーが展開します!)
Vol.38 Week 6 「好きなひとに振り向いてもらう7つの方法」 (3)空港で出会う奇跡
どの服を着ていけばいいのか、迷いに迷った。もしかしたらそのままNYへ付いていってしまうかもしれないし。メイク道具?下着?現金?
いや、パスポートでしょう!
なんて独り相撲をしているうちに、ギリギリになってしまった。
電工掲示板で、NY行きの便を探す。わたしが押さえたフライトだ。間違いない、第1ターミナルへ走る。
携帯を鳴らせばいいが、それは最後の手段にしたかった。
時代錯誤かもしれないけれど、だからこそ、真治と出会える奇跡を信じたいし、演出したい。もしかしたら、わたしが運命のひとかもしれないと錯覚だったとしても。
メロディアスなロックナンバーがここで流れたらいいのに。もっと早く、出会わせてほしい。もっと早く。
しかし、そんなドラマのようなことが起きないものだ。30分ほど探しまわって、息もきらしていて、でも見つからない。
それでも、もう少し・・・・。
搭乗口ではない階へ昇るエスカレータに足を踏み出すと、その階から降りてくる真治を見つけた。
「真治さん」
わたしは、自然に叫んでいた。真治はびっくりしたが、自然な笑顔になった。そうして、下で待ってるというジェスチャーをした。それにひどくほっとした。
エレベータをすぐに折り返すと、わたしは真治の胸に飛び込んだ。
くたくたになって心拍数のあがった身体は、恥じらいも迷いも感じさせず、素直になれた。
息が整ってくる何秒かの間に、正常に戻れば、この胸から離れなくてはいけないことが分かってしまって、切なくなった。
「どれくらい切なさを味わえばいいのかな」
真治も
「ほんとうだね」
そうぽつりと答えた。
(つづく)
今週のおすすめヨガ「英雄のポーズ(バレエ編)」
Week 6のおすすめは「英雄のポーズ(バレエ編)」。
ヨガの代表的なポーズで、下半身の筋肉を強化し、上半身と下半身をバランスよくストレッチできるポーズです。息を吸いながら、脚の力で地面に根をはり、両手をあげると不思議なことに、パワーが涌いてくるでしょう。
脚の筋肉をしっかり使うことで、美脚やダイエット効果も期待できます。
「英雄のポーズ(バレエ編)」の流れ
- 丹田をしっかり引き上げ、両足でしっかり床を感じながら、まっすぐに立ちます。手はバレエのアン・オーの状態にします。肩をさげ、胸は開きます。
- 右足を後にさげ、左足ひざが90度になるまで曲げます。骨盤は真正面にし、手は胸の前まで上げます。二の腕を外側にひねったような状態で引き上げます。
- 手を頭上に持ち上げます。
- 息をすいながら、腰からではなく、胸から後方に反ります。
- (番外編)前方に出ている足のひざに向かって、手を下ろします。少し前傾し胴体をひねります。
(この小説は毎朝4時更新です。続きはまた明日!)
★この物語の登場人物
新城紗季(しんじょうさき/30歳)プロダクトブランド販売会社のマーケティング部につとめる。この物語の主人公。
アレクサンドル・ハミルトン(アレックス)(38歳)フランス系アメリカ人。ヨガスタジオを経営。
相場優斗(あいばゆうと/38歳)外資系投資銀行の行員。
桜井真治(さくらいしんじ/35歳)紗季と同じ会社でニューヨーク店勤務。紗季の元恋人。
東谷しおり(ひがしやしおり/25歳)ヨガ仲間のひとりで、紗季の会社の事務系OL。