あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします^^
みなさん、お正月はいかがお過ごしでしたか?私はしっかり実家に帰り、昔ながらのお正月の朝ごはんで新年をスタートしました。
その朝ごはんは祖父母の代(それよりも前)から変わらないもの。今はやることや時間などは楽に簡略化されていますが、料理の内容は変わっていません。とにかく3が日の朝は焼いた餅を食べるのが習わしです。
すごくシンプルで地味なお正月ごはんですが、昔の人にとって餅はありがたいものでごちそう。神様に餅をお供えしてそれと同じものを食べるということで、神様と過ごすお正月です。
1月1日元旦の朝ごはん
餅、塩引き鮭、お煮しめ、白菜の漬物。
1日の朝ごはんはこの神棚にお供えした餅の写真しか撮っていませんでした^^;;
この神棚にお供えした餅を下げて朝ごはんに食べます。お煮しめは煮ものではなく汁もの。けんちん汁の具が大きくした版みたいな料理です。
それが我が家唯一の伝統のお正月料理。といっても31日の夜に食べるものなので、1日の朝はその残りを食べることになります。
1日の朝を豪華に過ごされる方が多いと思いますが、31日の日が暮れると歳神様が来られるので、その日が一番のごちそうの日なんです。
ここで我が家の1月1日についてのお話をちょっと。
昔の1月1日は大忙し。夜明け前に朝ごはんを済ませて初詣に行かなければならなかったそうです。
餅を焼くのは男性の仕事なので、だれよりも早く起きて水を汲みに行き、それを囲炉裏で沸かします。その脇で新巻鮭の切り身を焼き、餅も焼きます。
焼いた餅は神棚にお供えして、そこまで出来たら寝ている家族を起こして、沸かした水で顔を洗います。そしてお供えした焼き餅を下げて朝ごはん。
その後初詣に行き、帰ってきたら男の人はしめ縄作りをして、家の各所の神様にお供え餅とともに飾ってまわります。
女性は大掃除。12月中にすす払いは終わっているのでひたすら水拭きだったそうです。
それからお客様用の料理(きんぴら、煮豆、なます)の準備をし、夜は白いご飯(普段は麦飯)を炊いて神棚と門松にお供えして、家族も白いご飯をお煮しめとともにいただいて1日は終わります。
おせち料理というのは江戸時代に庶民にも広まったといわれていますが、祖母が言うには“新しい文化”。聞いたこともなかったそうなんです。
なので昔ながらのお正月を過ごす我が家は、重箱に入ったおせちの準備をすることはありません。とにかく「餅」と「白いご飯」が大切なごちそう。
「笠地蔵」という昔話の最初に“新年を迎えるための餅が買えない”というくだりがありますが、餅がお正月を迎えるにあたって大切なものなんですよね~。
1月2日の朝ごはん
餅、塩引き鮭、お煮しめ、白菜の漬物、松前漬け、なます、そぼろ納豆、きんぴら。
1日の朝とほぼ同じですが、きんぴらとなますは1日に作るので、2日は品数が増えます。
お煮しめはけんちん汁のようでしょう?煮干しでダシをとり、そこにその時作っている作物(ゴボウ、にんじん、だいこん、八つ頭かさといも)を入れて煮ます。
味付けはしょう油のみなんですが、これが野菜のうま味が出ていて美味しいんです。作物が収穫できたことを感謝する気持になります。
手前に飾ってある松葉と煮干しと甘納豆は3日間とも飾ります。
1月3日の朝ごはん
餅、お煮しめの残りに青菜を入れたもの、そぼろ納豆、きんぴら、煮大豆、白菜と青菜の漬物。
3日目は鮭を食べられない日なのでその他のおかずでお餅を食べます。
白菜の漬物は冬に入ると樽いっぱいに漬けるので、冬の間中は朝昼晩と食卓に上ります。祖母が元気だったころはたくあんもつけてたので、たくあんも冬の食べ物。
そぼろ納豆は、水戸のあたりの名物で切り干し大根が入った味付きの納豆です。
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みなさんのご実家ではどんなお正月の慣習がありますか?
家族で過ごすことが多いお正月は、それだけにその家々の伝統が残りやすいのではないかと思ってます。私はおせち料理はTVの中の特別なことだとばかり思って育ちましたし(笑)
ということで我が家の神様とすごすお餅三昧のお正月朝ごはんでした。