【朝の恋愛小説:あしたの朝、ヨガスタジオで。Vol.13】Week 2(6)いい男の条件は

 

(この物語は…毎朝のヨガ習慣をはじめてから108日目を迎えた、ヨガが好きなOL 紗季に、久々に起こる、恋と仕事の変化。朝のヨガスタジオで巻き起こる男女のハートフルなラブストーリー。小説のストーリーに合わせ、毎週おすすめヨガポーズをご紹介します。

Week 2は、主人公である紗季のヨガ仲間であり、同じ会社の事務系OLしおり視点でストーリーが展開します!)

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Vol.13 Week 2 「いつも彼女を好きな人を好きになる」 (6)いい男の条件は

それでも、アレックスのヨガクラスが受けたくて、毎朝ヨガスタジオにいく。

優斗さんも、桜井さんも、この数日毎日通ってくる。

紗季さんと桜井さんも次第に打ち解けてきたのか、紗季さんは、たまに「真治」と呼びかけている。

紗季さんと桜井さんのことを毎日見ているたび、わたしの内側は時折熱くなり、時折切なくなることに気付き始めていた。

アレックスがわたしに言う。

「しおりも恋をしているのかな?」

またどうして、紗季さんを好きな相手を好きになってしまったんだろう。

いいなと思っていたアレックスのことは、ヨガの先生としての尊敬に変わって、その間に、ずっと切ない横顔している桜井さんへの気持ちに気付いた。

「アレックス、わたしって不器用?」

「かなりのね」

アレックスは笑っていた。器用さが武器だと思っていたのに。どうしよう、このままじゃ、わたし確実に売れ残る!

「のわぁぁ」

ひとり苦悩している時に、紗季さんは優斗さんに向かって夢を語り始めた。

「本当は、実家の父がもっている技術を使って、プロダクトのディレクションをやりたいんです。デザインにもっと、こだわって。

一回チャレンジしたんですけど、挫折して。そのとき『売れなくていいという発想がくだらない』って言われて。そりゃそうです、いまはそんなくだらない夢、みてません」

紗季さんがヨガマットを巻きながら、切なく笑ってみせた。その表情がわたしには、まぶしく、とても素敵にみえた。

「紗季、あれは」

桜井さんが割って話に加わろうとすると、遮るように紗季さんは言った。

「いいんです、コツコツやれば、必要とされる人材にはなれる。それで十分です」

「くだらない・・・」

いつもエンターテイナーな優斗さんの一言に、ヨガスタジオにいる全員が凍り付いた。

広報のアヤが空気を変えようとしたのか

「じゃあ、あしたの朝また!」

と明るくヨガスタジオをかついでスタジオを後にした。みんなはまだ立ち止まっていて、紗季はうつむいていた。

「くだらない夢こそ、たいせつな〜んだ〜」

なんと優斗さんは大きな赤いボールを鼻の上につけておどけてピエロを演じた。

女性の心を鷲掴みにするのは、固くなった心を楽にしてくれる男性だ。

(つづく)

今週のおすすめヨガ「木のポーズ」

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Week 2のおすすめ「木のポーズ」はヨガの代表的なポーズ。

片脚を軸足にしてバランスをとります。しっかり地面を足裏で感じ、上半身と下半身を繋げることで、自分の身体を安定させます。最初はぐらつきますが、集中しようとするだけで自律神経のバランスがとれてくると言います。

心がざわついているとき、一本足で立ってみようとすることが、身体をととのえ、神経をととのえ、良い決断ができるかも。みぞおちの部分に手を当ててみるのもいいです。前に進むためのチャクラがそこにあります。

「木のポーズ」の流れ

  1. 両足に均等に体重をかけ、頭頂部までまっすぐ伸びるイメージで立つ。
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  2. 右足の裏を、左足の付け根につけ、胸の前で合掌。この時、骨盤が左側にずれてしまわないように注意。どうしてもぐらついてしまう方は、付け根でなくても大丈夫!(けが防止のため膝以外にセット)
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  3. 息を吸いながら、胸の前の手を天井まで回し持っていき、両手を重ねます。目線も両手先の方を見つめます。この時、首をつめてしまわないように注意しましょう。
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  4. 息を吐きながら、両手を広げます。小指をご自身の方へ内転させてみましょう。肩が開き、胸が開いてきます。ここで呼吸を整えます。3呼吸ほどキープしたら、ゆっくり手足を元に戻し、反対側も同様に行いましょう。
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(この小説は毎朝4時更新です。続きはまた明日!)

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★この物語の登場人物
新城紗季(しんじょうさき/30歳)プロダクトブランド販売会社のマーケティング部につとめる。この物語の主人公。
アレクサンドル・ハミルトン(アレックス)(38歳)フランス系アメリカ人。ヨガスタジオを経営。
相場優斗(あいばゆうと/38歳)外資系投資銀行の行員。
桜井真治(さくらいしんじ/35歳)紗季と同じ会社でニューヨーク店勤務。紗季の元恋人。
東谷しおり(ひがしやしおり/25歳)ヨガ仲間のひとりで、紗季の会社の事務系OL。

 

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朝の小説シリーズ

毎朝読みたい小説シリーズ「やっぱり朝は、二度寝が好き。(完)」「シンデレラの朝ごはん(完)」
Written by

石垣モンブラン

幼少期から創作好きで、3歳児で替え歌発表(笑)、小学時代に学習発表会の脚本、絵本を制作、中学から新体操やダンスの振付をはじめる。現在は、小中学生のミュージカル劇団「リトル・ミュージカル」主宰。台詞をこどもたち全員で創るという他にはないミュージカルの脚本原案、作詞作曲、振付を担当。だけど大人の恋愛模様が大好き。ライトノベルや映像脚本も執筆し続ける。

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