今日のカフェボンボンの本棚は、『ずっしり、あんこ』。
「あんこ」にまつわるエッセイを集めた本。内田百間、幸田文、糸井重里、酒井順子、穂村弘、平松洋子ら39人が思い入れたっぷりに書いたあんこのお話です。
『ずっしり、あんこ』
出版社:河出書房新社
あたし豆大福が好き。うちはあんころ餅。オレあんパン、こしあんじゃなきゃダメ。あんこの話になると、みんな目が輝き出す。いつの時代もそれは同じ。この本の著者たちもあんこにはムキになる。熱を込めて語ります。
芥川龍之介は「しるこ」屋が減ったと嘆いて、僕ら下戸仲間のためにも、僕らの東京のためにも損失であると書く。おしるこがそんなに好きだったなんて。なんかかわいい。
あんこのお菓子を毎日食べる糸井重里さんにとって、あんこは口の中に広がる小宇宙。おまんじゅうや羊羹が大好きだった手塚治虫さんは、和菓子の美しさに漫画家の仕事と同じ創造性を感じていました。
中村汀女の季節感あふれるお菓子の俳句は甘くやさしく郷愁を誘います。秋の夜長にふさわしいのは「気取りなく、親しみと温かさのある菓子」。たとえば今川焼きのような。
あんこの話は尽きない、結論も出ない。だからこんなに楽しい。
Love, まっこリ〜ナ
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