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ポエティックな山の童話集『風のローラースケート』

 

今日のカフェボンボンは、安房直子の名作『風のローラースケート』
峠の茶屋を舞台にした、山の住人たちの物語です。

20131024

風のローラースケート
作:安房直子/画:小沢良吉
出版社:福音館書店

日の暮れがどんどん早くなるとさびしくて、誰かに会いに駆け出していきたくなる。落ち葉がカサカサ舞い落ちる日暮れ時の道は、子どもたちは下校したあと、道を横切るのはノラ猫くらい。あとは、宅配便のお兄さん。

安房直子さんの物語には、幻想的な“ひぐれ”がよく描かれる。春の日暮れ、川のほとりでたぬきが洗濯をしている。何を洗っているのと尋ねると、ごらんのとおりのテーブルかけですって。

晩秋の夕方、かごをぶら下げたいのししに山道で出会う。声をかけると、みそ買いに行くんです。今夜はふろふき大根のゆうべですからね。

現実と幻のあわいで、人と動物が不思議な出会いをする。たそがれ時だけ、夢の世界の入り口を行き来できるのかもしれない。

もし、夕方、どこからかおうどんのいい匂いがしてきたら、それはきつねの天ぷらうどんです、きっと。

以前ご紹介した安房直子さんの本。こちらもおすすめです。
『ひぐれのラッパ』:刺繍の挿し絵とともに楽しむ童話集。
『春の窓』:珠玉のメルヘン傑作集。
『くまの楽器店』:くまの不思議な楽器店の絵本。

Love, まっこリ〜ナ

 

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
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まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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