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『武蔵野夫人』旧家を舞台に恋愛と欲望を描く心理小説

 

今日のカフェボンボンは、『武蔵野夫人』

緑濃い武蔵野の旧家を舞台に恋愛と欲望を描く心理小説。作家・大岡昇平の代表作のひとつです。

20131208

武蔵野夫人
著者:大岡昇平
出版社:新潮社

「昼ドラマ顔負け ドロドロ夫婦劇!」なんてすごい文句の帯につられて、再読しました。

ヒロインの道子は、心優しく貞淑な人妻。フランス語教師の夫との平穏な生活に満ち足りていた。道子の従弟・勉がビルマから復員するまでは。

若い勉は美しい従姉に強く魅かれ、道子も初めての恋を知る。恋を知らずに結婚した道子が自分の心を知ったとき、最初に感じた衝動はそれを抑えることだった。武蔵野ののどかな日々は終わりを告げ、ふたりを取り巻く人々の欲望やエゴがあぶり出されていく。

たしかに「ドロドロ」の泥沼。時代背景と閉鎖的な環境が、息苦しさに拍車をかける。「ああ、もどかしい!」と思えば「そんな大胆なことを!?」と、やきもきしながら読みました。

それにしても「武蔵野夫人」という言葉は、どこかエロティック。武蔵野のむせ返るような緑と道子の清らかさとが相まって、よけいに官能的な匂いがします。

Love, まっこリ〜ナ

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「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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