今日のカフェボンボンは、『安部公房とわたし』。
ノーベル賞候補といわれた作家・安部公房没後20年。女優・山口果林が作家との秘められた愛を初めて明かした話題作。
ふたりの出会いから女優になるまでの道のり、安部公房との暮らしや最期の日々が語られています。
『安部公房とわたし』
著者:山口果林
出版社:講談社
安部公房と出会ったのは、18歳のとき。演劇を学ぶ学生と人気作家の年の差は23歳。果林さんにとって安部公房は師であり同志、そしてなにより最愛のひとでした。「果林」と芸名をつけたのも彼でした。
その頃のプライベートな写真を見ると、果林の名そのままに本当に愛らしい。無垢な笑顔、頼りなさ、ひたむきさ。
「未熟な私のどこに、引きつけられたのだろう」とあるけれど、そのすべてが宝物のように愛しかったのだろう。でもそれは秘められなければならない、誰にも明かすことのできない愛でした。
彼が亡くなったとき、そばにいられなかった。ただ、ふたりだけの濃密な時間は、記憶の中に残っている。それが愛し愛されたという証。いま、生き直すために書いたという手記に、深く心を揺さぶられました。
Love, まっこリ〜ナ
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