今日のカフェボンボンは、『ほんまにオレはアホやろか』。
漫画家・水木しげるの波瀾万丈な半生を描いた、エキサイティングで人間味あふれる自伝。ちょっと憂鬱な朝や落ち込んだ時に読むと心がほぐされて励まされます。新しいシーズンが始まって緊張気味な時にもおすすめです。
『ほんまにオレはアホやろか』
著者:水木しげる
出版社:新潮社
『ゲゲゲの鬼太郎』が生まれるまでに、水木さんはいったい地獄の何丁目まで行ってきたのだろう? そんなすさまじい半生。子どもの頃から妖怪研究、落第また落第、戦争で半死半生の目にあう、戦後の極貧時代。
波瀾万丈とはこのことかと思うのだが、どうもそんなに深刻に思えない。きっとそれは水木さんののんきな語り口と心の広さのせいなんだろう。家族もあくせくしていなくて、大らかなお父さんなど落語の世界の人物のようなんです。
水木さんは、戦地ラバウルでも相変わらず落第兵だったけど、あまり気にしない。上官に絵の実力を買われて、娯楽用の花札を作って喜ばれもする。
状況は一変、ジャングルの中でマラリアにやられ40度以上の熱にうなされているところに、敵機の爆撃にあって片腕を切断。野戦病院に送られたが病状は悪化してしまう。この過酷な状況を、水木さんは持ち前の勇気と知恵を振り絞って生き抜いていく。
戦後は魚屋やアパート経営など、漫画家という職業からかけ離れた仕事を経験する。アパートの間借り人がまた抱腹絶倒なんですけど、これから読む方々の楽しみを奪うのでこのへんにしときますね。
パーンと頭をはたかれたように衝撃的な自伝です。そして、本当に面白い!!
Love, まっこリ〜ナ