今日のカフェボンボンは、『苦味(ビター)を少々』。
恋愛小説の名手・田辺聖子の作品から集めた言葉集。人生と恋愛をテーマにした399のアフォリズム(警句、箴言)は、著者とっておきのものばかり。男と女の「おつきあい」の醍醐味を知る一冊です。
『苦味を少々 399のアフォリズム』
著者:田辺聖子
出版社:集英社
心の状態によって、感銘を受ける言葉も日々変わるもの。幸福な気持ちに酔わせてくれるときもあれば、先走る心をなだめてくれることもある。大好きなアフォリズムをいくつか……。
「私は、〈いそいそとする〉なんてことがあるのが、生きてるたのしみだ、と思い当たった。なるべく、人生、〈いそいそとする〉ことが多いといいんだけどな。」
「いそいそ」でまず浮かぶのは、好きな人に会う前の高揚した気分。ほかには置き換え不可能な独特のあの感じを、日常のちょっとしたことにでもたくさん味わいたいと思う。
「せつなさ、というのは、人間の恋の中で最初に味わって、いちばん最後まで舌にのこる感情であるように思われる」
言葉にはビターな隠し味があるけれど、それは著者の大らかさが根底にあってのこと。本書を読むと、何事もあまりムキにならずにいたほうが「生きやすい」かもと思えて楽になる。
本のお供には、甘酸っぱいクランベリーソーダをいかがですか。この飲み物のロマンチックな赤は人生の喜びを表す色。人として女として幸福に生きるためのエッセンスにあふれた本をどうぞ。
Love, まっこリ〜ナ
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