今日のカフェボンボンは、『もしもし、運命の人ですか。』。
人気歌人・穂村弘の恋愛エッセイ集です。穂村流「ときめき」延長作戦、1%のラブレター、コンビニ買い出し愛。恋に悩むすべての人に。
『もしもし、運命の人ですか。』
著者:穂村弘
出版社:メディアファクトリー
ふたりきりになると、突然、幼児化する男性が多いと聞いて、内心ぎくっとした穂村さん。だって、僕も割とそうだから。幼児言葉はわかるけど、動物言葉っていったいなに?
恋人同士の親密さの表現に、穂村さんは思いをめぐらせます。実際のところ、その多くが密室の出来事なので実態がわかりにくい。みんなはどんなふうに甘えたりしてるんだろうか。木村拓哉や高倉健や織田信長はいったいどうしているのだろうって。
サッカーの世界には、ファンタジスタと呼ばれるタイプの選手がいる。それなら、いちゃいちゃ界のファンタジスタというようなひとも、どこかにいるに違いないと。でも気をつけて。あまりに凝ったいちゃいちゃを仕掛けると、相手が「さかのぼり嫉妬」の罠にはまるから……。
この独特の恋愛観、クセになります。ちょっと純なフリして鋭く分析。著者自身はファンタジスタではないそうだけど、それは謙遜かも。少なくとも短歌界のファンタジスタなのは絶対!
ワイルド系な男性への憧れや、ガールフレンドが姉タイプばかりだったことなんかを考えると、筋金入りマイルド系かつ姉マニアな著者の姿がみえてきます。
タイトルのように「あなたは運命の人?」って問いかけられたらどうでしょう? 運命的出会いに「もしもし」はいらないよね。その微妙なズレ具合が穂村弘たるゆえんです。
Love, まっこリ〜ナ