おいしそうな料理が登場する物語を読んでいると、食事をしたばかりなのにお腹が空いてきたり、誰かと食卓を囲みたくなったりすることがありますよね。
本の中の食事は、落ち込んだ心を慰めたり、新しい一歩を踏み出す力になったり、懐かしい記憶を呼び起こしたりするものでもあります。
今回は、小説やコミック、エッセイの中から、読んだあとに次のごはんが待ち遠しくなる本を5冊ご紹介します♪
【1】夜勤明けの一杯と朝ごはんに癒やされる『あさ酒』
朝時間アンバサダーのみづきさん(@hsmtmmm)がおすすめしてくれた、原田ひ香さんの小説『あさ酒』。
主人公は、婚約破棄をきっかけに恋人や住まいを失い、仕事までなくしてしまった26歳の恵麻。失意の中で出会ったのが、夜から朝まで依頼人に付き添う「見守り屋」という仕事でした。
夜勤を終えた恵麻を待っているのは、モーニングと黒ビール、生ハムと赤ワイン、焼鯖定食と日本酒など、その日を頑張った自分をねぎらう「朝酒」の時間です。
『あさ酒』(著者:原田ひ香)
さまざまな事情を抱える依頼人と向き合い、温かい料理とお酒に癒やされながら、恵麻が少しずつ前を向いていく物語。料理のおいしそうな描写はもちろん、人生を立て直していく主人公の姿にも元気をもらえます。
朝に飲むお酒という特別感と、夜勤明けならではの解放感を味わえる一冊。『ランチ酒』シリーズを読んだ方なら、より楽しめる物語です。
【2】温かい定食が行き場のない心を包む『ひよりやま食堂』
夢を追って上京したものの、貯金も気力も尽き、これからの生き方を見失ってしまった31歳の結。そんな彼女が偶然たどり着いたのが、住宅街にひっそりと店を構える「ひよりやま食堂」です。
店で迎えてくれたのは、“食堂の座敷わらし”を名乗る少女・早苗と、翻訳家兼料理人の店主・深山司。温かくおいしい料理を囲みながら、結をはじめ、悩みを抱える人たちが自分の人生と向き合っていきます。
『ひよりやま食堂』(著者:奥乃桜子)
頑張っているのに報われないときや、進む方向が分からなくなったとき、すぐに答えを出そうとせず「日和見」する時間があってもいい。そんなメッセージが、食堂に集まる人々の姿を通して描かれます。
湯気の立つ定食のように、読む人の心をじんわり温めてくれる物語。仕事や将来に迷った日に開きたい作品です。
【3】忘れられない味から人生をたどる『貧乏ピッツァ』
17歳でイタリア・フィレンツェへ渡り、極貧の画学生生活を送った漫画家・ヤマザキマリさん。タイトルの「貧乏ピッツァ」は、当時食べた忘れられない一枚に由来しています。
本書では、イタリアのトマトやピッツァ、日本の牛乳や素麺、世界各地の朝食や鍋料理など、国や価格にとらわれない幅広い食の思い出を紹介。料理が得意ではなかった亡き母のアップルパイなど、家族との記憶もつづられています。
『貧乏ピッツァ』(著者:ヤマザキマリ)
高価な料理だけがごちそうとは限らない。お腹を空かせて食べた一切れや、誰かと一緒に味わった料理が、人生で忘れられないものになることもあります。
世界を旅してきた著者ならではの視点と、食への尽きない好奇心が詰まったエッセイ。読み進めるうちに、いつもの食事や自分の「思い出の味」を振り返りたくなります。
【4】泣きたい心に甘いものが寄り添う『泣きたい夜の甘味処』
とある町に、夜だけ営業する小さな甘味処があります。店を営んでいるのは熊と鮭。訪れた人に差し出すのは、温かいお茶と、その人のための甘い一品です。
夢を諦めた人、仕事に疲れた人、大切な人を失った人、自分を好きになれない人。さまざまな思いを抱えたお客さんが、ドーナツやいちご大福、プリン、チーズケーキなどを味わいながら、心にためていた涙を流します。
『泣きたい夜の甘味処』(著者:中山有香里)
かわいらしい動物たちと、おいしそうなお菓子が描かれたコミックですが、物語のテーマはどれも身近で切実。甘いものが人を慰め、明日へ向かう気持ちを取り戻させてくれる様子が丁寧に描かれています。
作中に登場するお菓子を再現できる11のレシピも収録。読んで心を満たしたあと、気になった甘味を実際に作って楽しめます。
【5】苦手な食材が「食べてみたい」に変わる『今日もごちそうさまでした』
自他ともに認める肉好きで、野菜やきのこ、青魚、珍味など、苦手な食べ物が多かった作家・角田光代さん。ところが、ある時期を境に、これまで避けていた食材を次々と食べられるようになります。
知らない食材を買い、自分で料理し、味わってみる。そんな日々の発見を通して、食の好みや食事との向き合い方が変化していく様子をつづったエッセイです。
『今日もごちそうさまでした』(著者:角田光代)
以前は苦手だったものを「おいしい」と感じる驚きや、毎日の献立を考える楽しさ、三度の食事にまつわる率直な気持ちが、生き生きと描かれています。
食わず嫌いしていた料理に挑戦してみたり、スーパーで見慣れない食材を手に取ったり。読み終えたころには、自分の食卓にも新しい味を迎えたくなるはずです。

週末は読書でのんびり!くつろいだ気分になれる本、オススメ2冊
朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。今日の「まっこリ~ナのカフェ…
***
気になる一冊をきっかけに、いつもの献立や好きな味を見直してみるのもよさそうです。
物語の余韻とともに、毎日の食卓を楽しんでくださいね♪





