朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『心はどこへ消えた?』。
以前、カフェボンボンでご紹介した本が文庫化されました。自分の心を見つめたくなる一冊を再びお届けいたします。臨床心理士・公認心理師の東畑開人がコロナ禍に書きつづったエッセイ集です。先の見えない危機的な状況のなか、人の心に何がおきているのかを見つめます。
『心はどこへ消えた?』
著者:東畑開人
出版社:文藝春秋
「心はどこへ消えた?」と問いかけられて気づいた。私の心はすり減って、だんだん小さくなって、かき消されそうになっているかも。
そもそも心とは個人的でプライベートなもの。人の心に宿ることができるのは、とても小さな物語だけ。けれど、世界的なパンデミックが人と人とのつながりを失わせ、一人一人の心は居場所をなくしていった。「大きすぎる物語が小さな物語をかき消してしまった。だから、心が見つからない」——。
街角のカウンセリングルームで心を探す旅をするように、著者はカウンセラーとして心とは何かという問題と向き合いながら、相談に訪れる人々の小さな物語に心を見つけていく。さまざまなエピソードを読み進むうち、かき消されそうになっていたいくつもの心たちが息を吹き返し、再び輝き始めたように思えました。
先の見えない一年間、臨床心理学者としてどのような日々を送られたのかがよくわかります。心を深く知る先生でも、日常生活ではバタバタすることもあれば、迷ったり悩んだりしながら過ごす様子も伝わってきてちょっとホッとします。自分自身やまわりの人たちの小さな物語を大切につなげていきたくなる一冊です。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
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