普段何気なく使っている言葉の中には、実は正しい表現ではないものが多くあります。「これって正しいのかな…」と思いながらも、ついそのまま使ってしまうことがありませんか?
今回は、マナー講師 林慶子さんの連載から、よく使いがちな「間違えやすい表現」を3つご紹介します。日常会話を見直すきっかけにしてみてくださいね♪
【1】実は二重敬語!「お召し上がりください」の正しい敬語とは?
相手に食事や飲み物をすすめるとき、「お召し上がりください」と言うことが多いですが、実はこれは二重敬語とされています。「召し上がる」(尊敬語)と「お~ください」(敬語表現)が重なっているためです。
正しく丁寧に伝えるには、「召し上がってください」「召し上がりください」「お食べください」などの表現を使いましょう。
ただし、文化庁の文化審議会国語分科会が発表している「敬語の指針」では「お召し上がりください」は定着した表現として挙げられており、日常生活では問題なく使えるとされています。
大切なのは、相手に気持ちよく受け取ってもらうこと。ちょっとした言葉遣いの工夫で、より心地よい会話を楽しみましょう!
(参考:お召し上がりくださいは間違い?「食べてください」の敬語表現)
【2】「とんでもございません」は間違い?正しい敬語表現
誰かにお礼を言われたり褒められたりしたときに、「とんでもございません」と謙遜して返すことがありませんか?
実は、「とんでもない」はひとつの形容詞なので、「ない」だけを変えることはできません。そのため、「とんでもないことでございます」「とんでもないです」が本来の正しい形で、「とんでもございません」は語法上誤りとされています。
先ほどと同様に、文化庁の「敬語の指針」では、「とんでもございません」は賞賛を軽く打ち消す表現として定着しており、使用しても問題ないとされています。
現在では受け入れられている表現でも、本来の正しい形を知り使い分けることで、信頼度や印象がぐっと上がるかもしれません。
敬語に限らず、日本語を丁寧に使おうとする意識を大切にしたいですね。
(参考:「とんでもございません」は間違い?正しい敬語の使い方)
【3】「存じております」「存じ上げております」の使い分け方とは?
「存じております」と「存じ上げております」、どちらも「○○を知っています」という意味ですが、微妙な違いがあります。その違いは、知っている対象が「人」か「物」かによって決まります。
- 存じております:知っている対象が「物」や「場所」のときに使います
- 存じ上げております:知っている対象が「人」のときに使う表現です
人に対しては敬意を込めて「上げて」を付けることを覚えておきましょう。
例えば、「うちの会社のことをご存じですか?」と聞かれた場合、「物」なので「はい、存じております」と答えます。一方、「うちの会社の社長をご存じですか?」と聞かれた場合は、「人」なので「はい、存じ上げております」と答えます。
言葉の使い分けは、相手の信頼を得る大切なポイント。少しの違いに気をつけることで、より丁寧な会話を心掛けたいですね。
(参考:知ってた?「存じております」「存じ上げております」の使い分け方)
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プライベートからビジネスシーンまで役立つ「間違えやすい表現」をご紹介しました。
正しい言葉遣いを心がけることで、相手に好印象を与えることにつながります。ぜひ参考にしてみてくださいね♪