朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『大阪』。
以前、カフェボンボンでご紹介した本が文庫本になりました。社会学者の岸政彦と作家の柴崎友香の大阪について書いた共著エッセイです。大阪の風景、街をめぐる出来事からその人の人生が浮かび上がってくる。心に深くしみる一冊です。文庫化にあたり書き下ろしも収録しています。
『大阪』
著者:岸政彦/柴崎友香
出版社:河出書房新社
大阪は、柴崎友香がかつて暮らした街。岸政彦がいま暮らす街。それぞれが現在と過去を行きつ戻りつしながら、大阪の街と自分の人生を重ね合わせていく。
岸さんは大学進学で大阪にやってきた。そのときからずっとこの街に片思いをしているという。「私はあの、すこし寂しく、静かで、だだっ広い大阪が好きだ。あの風景が、この三十年のあいだに私が見てきた大阪だ」。そんなふうに語る岸さんがいちばん好きな場所は淀川の河川敷。19歳のときひとりで歩いた川のほとりをいまは夫婦で一緒に散歩する。
商店街育ちの柴崎さんは、小学生のころからお母さんの営む美容院を手伝っていた。遊び場は商店街のアーケード。お店の有線で古い歌謡曲を聞くのが好きでした。学校に行くのが苦しくて、ひとり大阪環状線に何時間も乗っていた日々もあったけれど、いつも街が助けてくれた。人と一緒にごはんを食べる楽しさを教えてくれたのも大阪の街でした。
まるでロードムービーのように、大阪の風景が流れてゆく。小学生の柴崎さんが商店街のアーケードの開いた屋根から見た青空がいまも見える気がします。
さまざまなエピソードのなかに大阪の街が息づいています。大阪を愛するふたりの著者のかけがえのない時間が詰まったエッセイをどうぞ。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
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