おはようございます。野菜料理家やのくにこです。
最近ニュースで話題になった、愛媛の「じゃこてん」。皆さんは食べたことがありますか?
秋田県知事に「貧乏くさい」と言われた「じゃこてん」ですが、なぜ、そう思ったのか考えてみました。
愛媛のソウルフード「じゃこてん」って?
じゃこてんの原料はホタルジャコと言われる小魚で、愛媛ではハランボの通称で親しまれている魚を主な原料としています。じゃこ=雑魚と書くので、そのまま食べるには小さすぎる魚を、言ってしまえば、捨てているような雑魚を原料にしているというイメージでそう思ったのかもしれません。
そうだとすると、この「じゃこてん」はかなり昔からSDGsな食品といえますね。今話題の未利用魚(利用できずに破棄する魚)の活用として、最先端を行っています。「食で地域活性化」の成功事例でもあります。
じゃこてんとさつまあげの違いって?
私は東京出身で、現在は愛媛県在住です。数十年前に愛媛に来て初めて「じゃこてん」を食べたときに、とても驚きました。なぜなら、甘くないからです。
東京にいたころは、練り物を揚げた「さつまあげ」をよく食べていて、甘いものだと思い込んでいたのです。
甘くないのでビールやお酒のおつまみによく合います。愛媛県知事も「秋田のきりたんぽに入れると美味しいと思いますよ」と話していましたが、最近では揚げ(きつね)の代わりにじゃこ天を加えた、「じゃこてんうどん」や「じゃこてんそば」も人気のメニューになっています。
じゃこてんからも美味しい出汁がでるのでおすすめですよ。
ちなみに「じゃこてん」は揚げ物ですが、さらに衣をつけて「じゃこかつ」という新しい食べ方も出ていて、これも人気になっています。
(うどんつゆに入れて温めてのせるだけで美味しい、じゃこてんうどん)
じゃこてんは、朝ごはんにぴったり!
私一番おすすめの食べ方は、シンプルに焼くレシピ。
フライパンに油を入れずに、そのまま「じゃこてん」を置いて、両面こんがり焼いて、3等分くらいに切ってお皿に載せ、大根おろしに醤油を少したらして食べると、絶品です。
そんな「じゃこてん」、我が家は朝ごはんによくいただきます。
(フライパンやトースターで温めるとより美味しい。朝ごはんにおすすめ!)
松山市駅前のじゃこてんを販売する木村蒲鉾店に話を聞いてみると、「話題になった後の2週間で秋田県の方々から200件のお取り寄せの注文が入り、用意するのが大変だった」と話してくれました。
「知事がすみませんでしたと一言コメントを書いて注文してくれた方もいて、何となくほっこりした気分になりました」と話してくれました。
我が家の近くの井上蒲鉾本舗蒲も「じゃこ天の注文が増えて、全国の方に知ってもらえましたね」と喜んでいました。
三津浜商店街にある練や正雪の前には毎朝10時から行列ができるそうです。
(練や正雪のじゃこてん。揚げたてはたまらない美味しさ!)
普通のじゃこ天の2倍はある厚さの揚げたてを食べられるから、地元の人にも観光客にも人気のお店です。ぷりっとした食感と塩分控えめの味わいは癖になりますよ。
朝ごはんに薄切りにして小松菜と炒めても美味しい。( レシピはこちら >> https://ameblo.jp/atelieryano/entry-12829627591.html )
秋田県知事は愛媛や四国とのコラボ物産展を企画してくださって、愛媛のじゃこてんとしては全国区になって「災い転じて福と成す」のようです。
今年のお歳暮に、愛媛の「じゃこてん」はいかがですか!食で地域活性化…「じゃこてん」で愛媛が少し盛り上がるかもしれませんね。
次回は、ゼリーのような驚きの食感が楽しめる柑橘「紅まどんな」をご紹介します。
*この公式ブログは<毎週土曜日>に更新します。次回もどうぞお楽しみに!