朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『とにかく散歩いたしましょう』。
愛犬と過ごす毎日、小説と向き合う時間、心に残る本との出会い、もう会えない懐かしい人への想い、イタリア旅行のエピソードなど四十六篇。作家・小川洋子が日々の暮らしや愛しい人たちとの思い出を綴ったエッセイです。
『とにかく散歩いたしましょう』
著者:小川洋子
出版社:文藝春秋
このエッセイが綴られていた日々、小川洋子さんのそばには愛犬・ラブがいる。いつもご機嫌なラブは小川さんを大きな愛情で包み込む。あれこれ思い悩んでいると背中をそっと押してくれる。
ふたりの散歩道で「何もかもが手遅れで取り返しがつかないような気分」に陥って立ち尽くす著者をラブがさりげなくリードする。「ぼやぼやしている場合じゃありません。さあ、次の電信柱ですぞ」と言うように。つらいことがあった夜、犬は文句も言わずじっと帰りを待っていてくれた。そのあと散歩に出ると、いつも以上に元気に歩いた。今日がなんとか無事に終わってまた明日。ふたりの散歩が一日一日をしっかりとつないでいきます。
じつは、外出が苦手でいつも早く家に帰りたいという小川さん。子どもの頃、デパートに出かけてもすぐに「早く帰ろう」とお母さんを急かしてがっかりさせたという、少し苦い思い出も綴られています。小川さんを外に連れ出し、また一緒におうちに帰る。そんな大事な役目をラブが果たしていたのかもしれません。
魅力的な本の話もたくさん出てきます。本の中で著者が一番好きな題名も紹介されています。そして思うのはこの本のこと。とにかく散歩いたしましょう。優しい犬の姿が浮かぶタイトルが私は好きです。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
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