朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『名画の中の植物』。
深まる秋の日の読書に、美術に親しむ本をいかがでしょう。植物学者・大場秀章氏が花や樹木から名画を読み解く一冊です。西洋絵画に描かれた植物から浮かび上がる時代背景や画家の意図とは……?
『名画の中の植物』
著者:大場秀章
出版社:八坂書房
古代エジブトの壁画の黄泉の国に描かれたスイレンの花。水辺や水中に生えるスイレンは水の存在を示すシンボルであり、当時のエジプト人がスイレンを描いたのは「水に恵まれた黄泉の国」を願ったからではないかと著者は読み解きます。はるか昔の遠い国の人の気持ちがスイレンの花を通して伝わってきます。
本書では、古代エジプトや古代ローマの壁画、ボッティチェリの「プリマヴェーラ(春)」、ダ・ヴィンチの植物の習作、ジャポニスムの花、アンリ・ルソーのジャングルなど、15点の絵画作品の植物に注目し、作品を描いた画家や植物が描かれた意図、時代背景について考察しています。
画家はなぜその花を選んだのか。植物は何かを暗示しているのか。植物学者の大場先生が謎を解くように推理する。するとたちまち、名画の中の花たちが強い存在感を放ちはじめる。花の描かれた意味を解き明かされると、この絵にはこの花しかないという気がしてくるのです。
当時、イギリスに輸出されたばかりのヤマユリなど、日本の花や樹木を描いた絵画も登場します。名画の中の植物の世界へと案内してくれる、イマジネーション豊かな一冊をどうぞ。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
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