簡単「ドーナツ」レシピ付き♪朝に読みたい小説『ダンス・ダンス・ダンス』

 

おはようございます。料理家のまきあやこです。

この連載『本と映画と朝ごはん。』では、朝におすすめの本や映画、そして、一緒に楽しみたい簡単朝ごはんレシピをお届けしています。

今月は、村上春樹作品の小説『ダンス・ダンス・ダンス』をご紹介します。

ハワイの朝に読みたい小説『ダンス・ダンス・ダンス』

小説「ダンス・ダンス・ダンス」

旅先にどの本を持っていこうか考えるのは、私にとって旅の楽しみの一つです。

今回、少し遅めの夏休みを取って、旅行に出かけてきました。

その時々で、読みかけの本を持っていくのは、もちろんなのですが、例えば、東北新幹線に乗るときは、仙台を舞台にした伊坂幸太郎さんの小説を、ニューヨークを旅するときは、MoMAの展示を扱った原田マハさんの小説を、台湾を旅する時には、台湾人料理家辛永清さんのエッセイ「安閑園の食卓」を持って…と、その土地の空気を感じながら、そこを舞台にした本を読むのが結構好きなんです。

ハワイ

今回の旅先、ハワイを訪れる時に必ずスーツケースに入れるのが、村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』。有名な小説なので、読んだことがある方も多いかもしれませんが、ハワイで休日をとるシーンが出てくる小説です。

出会いと別れを繰り返して、人生に閉塞感を感じている主人公(34歳)の「僕」が、札幌の「ドルフィンホテル」で出会う「ユキ」という13歳の美少女と、ひょんなことからハワイに滞在することになるシーンが、小説の中の一つのエピソードとして出てきます。「正しいハワイの過ごし方」といった印象ののんびりと、けれど規則正しいハワイの休日は、全編にちょっと憂鬱な気分の物語の中でも、爽やかでビビッドな色味のある大好きなシーンです。

特に、夜毎、食事を終えるとワイキキのいろいろなホテルのバーに二人で繰り出して、カクテルの「ピナ・コラーダ」を飲むシーンはお気に入りのエピソード。

この小説が書かれたのは、1988年。インターネットも、カメラ機能付き携帯電話も、もちろんSNSもなかった、ある意味での古き良き時代の物語です。

ハワイ

この本の中には、食事をするシーンというのが結構あって、そして朝ごはんを食べるシーンというのも結構多いのです。主人公の定番の朝ごはんとして「ダンキン・ドーナツ」が繰り返し登場します。

と、いうわけで今朝は、「ピナ・コラーダ」をイメージした、パイナップル入りのドーナツの簡単レシピをご紹介します。

「僕」の好きなドーナツを、時間のある朝に「ユキ」と二人で、ハワイのキッチン付きのアパートメントホテルで作って、熱々を朝ごはんにする。

いろんな形に作って、「僕」がコーヒーを淹れる。なんて時間があったら、それは二人にとって、幸せな思い出のひとつになったんじゃないかな、と妄想しました。

ホットケーキミックスで簡単!ハワイ風「ドーナツ」

ドーナツと珈琲

<材料>

  • ホットケーキミックス 200g
  • 卵 1個
  • サラダ油 大1
  • 缶詰のパイナップル 4〜6枚
  • 砂糖(今回はきび砂糖を使用) 適量
  • ココナッツファイン(あれば) 適量

<作り方>

1) ボウルにホットケーキミックスを入れ、5mm角に切ったパイナップルを、キッチンペーパーにくるんでぎゅっと絞ったものを入れて混ぜる。

卵1個とサラダ油を入れてよく混ぜ、生地がまとまらならないようであれば、ホットケーキミックスか小麦粉を足して、調整をする。

2) まな板などの上で(1)を7〜8mm程度の厚さに伸ばしたら、ドーナツ型(なければコップを使って抜くといいですよ)や、四角くマラサダ風に切って、160℃〜170℃くらいの油でじっくりと揚げる。

3) きつね色になったら、バットにとって、お砂糖やココナツをまぶして完成!

ちなみに、お話の中でもう一つ印象的な朝食のシーンがあって、「僕」の中学校の同級生で友人の、俳優「五反田君」の家で、コールガール2人と4人で過ごす朝ごはんの時間です。

とりあえずのもので、とりあえずの朝食を作るこのシーン。「キャンプみたい」な朝ごはんの様子に、コールガールの一人「メイ」が「かっこう」と鳴くところ。

あまりにこのシーンが鮮烈なので、毎回小説を読み終わると、私はしばし、日常生活の様々なタイミングで「かっこう」と言ってみたくなるくらいです。笑

ドーナツと珈琲

これまでも、人生の階段の、踊り場の様な時間に訪れることが多かったハワイ。

今回は、とても久しぶりのハワイ旅行でした。そして、久しぶりに『ダンス・ダンス・ダンス』を読み直す時間になりました。

一時期、とても親密な時間を過ごしたけれど、もう今の日常の中では会うことがなくなってしまった、友達とか恋人とか。

そんな人たちの様に、村上春樹の作品も、昼も夜も忘れるくらいに夢中になって、たくさん読んだ時期があったなぁって。

今はもう私の日常の生活の中で出会うことはないけれど、きっと今の私を形作る何かになっていて、その親密な時間があったからこそ、今もあるのかな、と思ったりしたのでした。

ハワイ

こういう風に、定点観測的に繰り返し読むお話、というのは、それを以前読んだ時の自分に出会えるようなおもしろさがあって、その時々の自分の考えていること、価値観、その他諸々を、鏡みたいに照らしてくれる様な気がするな、と、改めて感じた旅でした。

またいつか『ダンス・ダンス・ダンス』の登場人物たちと、それを読む自分に出会えるのをたのしみに、また日常を進めて行こう、と思うような旅でした。「かっこう」。

☆この連載は<毎月1回第4金曜日>に更新します。次回、10月の記事もどうぞお楽しみに…!

 

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