おはようございます、料理家のまきあやこです。
春間近とは言えまだ寒い季節、ゆっくりと起きたお休みの朝。特に予定もなく、外はいいお天気で、とりあえず顔を洗って、パジャマのまま洗濯機をまわしながら、さて今日は何をしようかなぁ、と考える…
今朝は、そんな朝に観たくなる映画『ホノカアボーイ』と、映画からイメージした朝ごはんレシピごご紹介します。
とりあえずあたたかいお茶でもいれて、ソファーにブランケットを持ち込んで、DVDのスタートボタンを押すことにしましょう♪
ハワイ島の田舎町「ホノカア」の、タイムトリップした様な古い映画館で、映写技師の助手をすることになった青年が、ホノカアの人々と触れ合いながら成長をしていく物語。
倍賞千恵子さん演じる、いたずら好きでお料理上手の「ビーさん」が、岡田将生さん演じる「レオ」に毎日作るお料理の数々が印象的な映画です。
わたしがこの映画をすきなのは、あたたかくて、甘い香りのするハワイの空気をそのまま詰め込んだ様なところ。あえて寒い季節に観ると、縮こまった心が、なんだかのんびりとほどけていく様な感じがするところです。
そして何よりも、ビーさんがお料理を作るシーンが楽しそうなところ。
小さいけれど、ビーさんのお料理への愛情や茶目っ気がそこかしこに感じられる様なキッチンは、お鍋一つ、木べら一つとってもかわいくて、観ているだけでうきうきとした気持ちになります。
一人暮らしの時間が長かったビーさんが、レオとの出会いによって、久しぶりに「誰かのために作るごはんの幸せ」に触れ、日々もりもりとお料理を作る…
そんな姿を観ていると…、私自身、仕事でお料理のことばかり考え過ぎていて、今日は何にも作りたくないなぁ、と思うお休みの日でも、夕方に友達を呼んでごはんを作ろうかなぁ、とか、この間好きな子が食べたいって言っていた、ちょっと手のかかるお料理でもしてみようかなぁ、とか、お料理をしたい気持ちがムクムクとわきあがってくるのが不思議です。
ビーさん風♪ハワイの甘い香りを感じる「BLTサンド」
そんな映画にぴったりの朝ごはんは、甘いパンで作る「BLT(ベーコン・レタス・トマト)サンド」。
この作品には「ホノカアボーイ」という原作のエッセイがあって、その中でビーさんが作るBLTサンドがとてもおいしそうなのです。
ベーコンはハワイの「スパム」に代えて、そして、ホノカアの町で野生化するサトウキビの甘い香りに思いを馳せて、今回は、黒糖のパンで作りました。
<材料>
- 黒糖パン 2個(黒糖パンがなければ、食パンなどその他のパンでも)
- マヨネーズ 大さじ2程度
- からし 少々(あれば)
- レタス 2枚程度
- トマトスライス 2枚
- ベーコンもしくはスパム 適量
- コショウ 適量
<作り方>
1) パンは横半分にスライスし、トースターで焼いてから、カットした面マヨネーズをいつもよりたっぷり目に、あればチューブのからしも一緒に塗る。
2) フライパンでベーコンやスパムを焼く。焼くときにコショウを振って焼くのがポイント。
3) 氷水に入れてシャキッとさせたレタスを、水をよく切って、(1)のパンにレタス・トマト・(2)の順でのせてはさめば完成。
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きっとビーさんなら、レタスをシャキッとさせる一手間を惜しまないだろう、と今回は少し丁寧に作りました◎
いつもならコーヒーと合わせるところですが、このサンドイッチにはグァバジュースとか、ストライプとかを合わせて、ハワイ気分を楽しみたいですね。
映画の最後の方、主人公のレオがビーさんに「ごちそうさま」を伝えるシーンがあります。
毎日ごはんを作ることを通して、日々の暮らしの中たくさんの愛情みたいな気持ちを伝えているとするならば、「ごちそうさま」はきっと、それに対する「ありがとう」という気持ちを込めたお返事みたいな言葉だったりするのかなぁ、と思うのでした。
いつも「たくさん食べなさい」というビーさん。「ごちそうさま」っていい言葉だなぁ、と思います。
変化の多い春を待つこの季節。少しのんびりとしたい朝におすすめの映画をご紹介しました。
きっと心が深呼吸をすると思います。そして、大切な自分や誰かに、ごはんを作りたくなると思います。
ぜひ、BLTサンドとともに、ゆったり過ごす休日の朝に観てみてくださいね。
☆この連載は<毎月1回>更新します。次回、3月の記事もどうぞお楽しみに…!