今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、天童荒太の小説『包帯クラブ』。
さまざまな傷をもつ高校生たちが、大切なものを戦わないかたちで守るために、世界の片隅ではじめた小さな活動とは? 目には見えない痛みに効く小説です。
『包帯クラブ』
著者:天童荒太
出版社:筑摩書房
痛みを抱えたあなたへ。痛いのはどこ? ずっと前から痛かったの? 自分の大切なものを奪われたとき、心は傷ついて痛み出す。
高校二年生の少女ワラが初めて手当てしたのは、失恋した親友でした。心に包帯を巻く代わりに、傷を受けた場所・公園のブランコに包帯を巻くと、親友の心がほんの少し楽になったことに気づきます。
人が受けた傷の痛みを想いながら純白の包帯を巻きたい。いたわりを伝えたい。そう願うワラと仲間たちはやがて「包帯クラブ」を結成し、街のさまざまな場所に包帯を巻いていくのですが……。
心に包帯を巻くように、傷を受けた場所に包帯を巻く。血が止まるように、苦しみが軽くなるように。傷ついた人は、包帯を巻いてもらった風景を見て初めて自分の痛みを認めることができるのかもしれません。
いたるところに包帯が巻かれた街の風景がいつまでも心に残ります。つらいことがあった日や心がひりひりする日におすすめの一冊です。
Love, まっこリ〜ナ
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