今日のカフェボンボンは、夏の色が濃くてまぶしい小説『夏の庭』。
少年たちの忘れられないひと夏を描いた物語は、夏休みの読書にぴったりの心に残る一冊です!
『夏の庭 ーThe Friendsー』
著者:湯本香津実
出版社:新潮社
「ぼく」は死んだ人を見たことがない。誰かが死んだらどんな気持ちになるか、全然知らない。
友だちのおばあちゃんのお葬式の話を聞いて、ぼくはそのことに気づくんだけど、これってすごくがく然とすることだと思う。だから、見知らぬ老人が死ぬところを見たいなんて、とんでもない話になったのかもしれない。小学6年生の男の子は好奇心には勝てないから。
これがおじいさんをを観察する「探偵」の日々の始まりでした。荒れた庭、手入れのされていない家にひっそりと暮らすおじいさん。もう7月だというのに、こたつに入ってテレビばかり見ている。
今日はおじいさんはどこに行ったんだろう? おじいさんが気になってしかたがない少年たちはある日……。
好奇心いっぱいでぶきっちょな3人の少年と、これまたぶっきらぼうな老人が、ほんの少しずつ距離を縮めていく。不器用な者同士だから余計なおしゃべりもなくて、本音で相対するのがいい。
夏の庭の「朝時間」は、おじいさんが洗濯物を干すのを少年たちが手伝った日。
庭の木にぴんと張ったロープに、手ぬぐいやステテコがはためいて。涼しい風が通り抜ける夏の朝です。
今日も朝から夏の光。楽しい日曜日を!
Love, まっこリ〜ナ