今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、レシピ付きエッセイ集を。
人気料理家として活躍する高山なおみが、料理家への道を歩みはじめた頃につづったエッセイ集。日記から生まれたレシピも付いています。
『帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。』
著者:高山なおみ
出版社:文藝春秋
ずいぶんと濃い毎日を生きてしまったようなのです―。三十代の日々のことを、著者はこんなふうにふりかえる。
料理、音楽、映画について。友人との思い出や子どもの頃の記憶。日々の出来事をあるがままに、揺れる心をまっすぐにつづった文にとても魅かれます。
上京したての頃、ひとり暮らしの部屋で本格的なカレーを作った。狭い台所で半日煮込んだチキンカレーはおいしかったけれど、ひどくさびしかった。風邪で寝込んだある日、子どもの頃の夢を見た高山さんは、あたたかい安心に包まれて、もう私はなんにもいらないと思う。本も料理も音楽もなんにも。
「彼女の焼き豚」「娘のフェイバリット・ラッシー」「残り物のハンバーグサンド」……。ひりひりするような孤独と心の痛みが、濃厚な料理の匂いと湯気に溶けていくような気がします。
ある憂鬱な雨の日のレシピは「落ち込んだ日のスープ」。心をあたためてくれるスープを熱いうちに。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
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