今日のカフェボンボンの本棚は、『湯を沸かすほどの熱い愛』。
まもなく公開の映画『湯を沸かすほどの熱い愛』の原作小説。主演の宮沢りえさんが演じるのは昔ながらの銭湯の女将さん。世話好きで愛情深いお母ちゃんと家族の絆の物語です。
『湯を沸かすほどの熱い愛』
著者:中野量太
出版社:文藝春秋
幸野双葉は今日も空を見上げる。煙突から煙が立ち昇らなくなってからもうすぐ一年が経つ。湯気のように夫が蒸発し、家業の銭湯は休業中。
高校生の娘を送り出し、パートに出かける双葉。持ち前の明るさでつらい日々を乗り越えてきた彼女が、ある日、突然、余命2ヶ月の宣告を受けて……。
私には、どうしてもやらなきゃいけない事が、まだある。そう覚悟した双葉は夫を探して連れ戻し、銭湯を再開させる。お母ちゃんとして妻として「湯を沸かすほどの熱い愛」で家族を包み込む。もう後戻りする時間は残されていないから。
お母ちゃんのご飯を食べて、自転車の後ろに乗って。行ってきますと言う。お母ちゃんと呼びかける。そんな家族のあたりまえのシーンがまぶしい。朝、誰もいない静かな銭湯を眺める双葉の姿が心に残ります。
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中野量太監督の映画『湯を沸かすほどの熱い愛』は、2016年10月29日(土)より全国で上映予定です。宮沢りえさんの双葉役、楽しみです!
Love, まっこリ〜ナ
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