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木をテーマにした本③幸田文の名随筆『木』

 

今日のカフェボンボンは、幸田文の『木』
木との出逢いをつづった名随筆です。

BONBON316

逢いたいと願った木のもとへと、北海道から屋久島まで出かけていく。

木とまっすぐに向き合い、その一生をみつめ、
美しく簡潔なことばでつづる。

木の生死輪廻を目の当たりにし胸をかき乱された時、
著者は古株の上にたくましく育つえぞ松と出逢う。

古株の芯にそっと手を入れて探ってみたら、
雨に濡れた林の中で、そこだけが乾いて温もりをもっていた。

幸田文が信じたのは、木は情感をもって生きているのだということ。

しかし、山地の崩落や川の荒廃の現場に足を運ぶようになると、
樹木への気持ちが不安を伴った「気づかわしいもの」へと変わってゆく……。

木の命への真摯な想いに心を打たれる一冊。
「藤」「ひのき」「杉」「ポプラ」など15篇。樹木への見方も変わるかもしれません。


20141208


著者:幸田文
出版社:新潮社

Love, まっこリ〜ナ

 

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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