今日のカフェボンボンの本棚は、新刊『彼女と彼女の猫』。
最新作の映画『君の名は。』が大ヒット中の新海誠監督の自主制作アニメを、期待の新鋭・山口つばさが漫画化した珠玉作。ひとり暮らしの女性と彼女を見守る一匹の猫の物語です。
『彼女と彼女の猫』
原作:新海誠/漫画:山口つばさ
出版社:講談社
春のはじめ、ある雨の日に僕は彼女に拾われた。だから僕は彼女の猫だ—。
これは「僕」が社会人一年生の彼女の日々をつづった物語。猫の目線で語られるから、彼女がどんな仕事をしているか、電話で誰と話しているか、そういうことはわからないけれど。はっきりしているのは、僕は彼女が大好きだということ。
美しくやさしい、そして不器用な彼女。うまく世界とつながれない彼女を、小さな猫がそっと見守っている。彼女の孤独とやるせなさを僕はその声やにおいに感じとる。「いってくるね」と「ただいまあ」の間の会えない時間も愛おしむ僕がせつなくて。
ひとりと一匹の静かで濃密な時間が流れていく。彼女の髪、やわらかな体、猫のぬくもり。しっとりと濡れた情感あふれる絵は、この物語にぴったりだと思う。
ふたりが一緒にいればあったかい。何度も読み返したくなる一冊です。
Love, まっこリ〜ナ
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