今日のカフェボンボンの本棚は、『二十億光年の孤独』。
日本を代表する詩人・谷川俊太郎が18歳から19歳の頃に書いたデビュー詩集。みずみずしい詩を夏の限定カバーで。英訳付きニカ国語版でどうぞ。
『二十億光年の孤独』
著:谷川俊太郎
出版社:集英社
人類は小さな球の上で
眠りおきそして働き
ときどき火星に仲間を欲しがったりする(「二十億光年の孤独」より)
若者は宇宙の果ての孤独を見つめている。火星人もときどき地球に仲間を欲しがったりするという。そして「二十億光年の孤独に 僕は思わずくしゃみをした」。
みずみずしい言葉には、宇宙をひとっ飛びしそうな軽やかさがある。飛行機雲や一本のこうもり傘、停留所や白い額縁の絵。何気ない日々の暮らしをめぐる詩に五感がどんどん研ぎ澄まされていく。
詩集の「朝時間」は、「かなしみ」の一節を。
あの青い空の波の音が聞えるあたりに
何かとんでもないおとし物を
僕はしてきてしまったらしい
表紙のモデルは女優の中条あやみさん。限定カバーと夏の空気に本を読む気分が高まります。輝く言葉がこぼれ落ちる詩集を夏の一冊に。
Love, まっこリ〜ナ
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