今日のカフェボンボンの本棚は、オランダの作家による『ハリネズミの願い』。
ひとりぼっちのハリネズミがどうぶつたちを招待しようと思い立つ。ぼくの家にあそびにくるよう、キミたちみんなを僕の家に招待します。
『ハリネズミの願い』
著者:トーン・テレヘン/訳:長山さき
出版社:新潮社
……でも、だれも来なくてもだいじょうぶです。ハリネズミは手紙を戸棚の引き出しにしまう。もし招待状を送ってもきっとだれも来ない。みんなぼくのハリがこわいんだ。
内気で心配性のハリネズミは想像する。招待客がきたらケーキを焼いて紅茶でもてなそう。だけどもしヒキガエルがドアをノックしたら? やっぱりだめ、うまくいきそうにない。
クマが訪ねてきたらどうだろう。ハチミツをたいらげてしまうにちがいない。ロブスターにハリを抜かれるかもしれない。ビーバーは部屋の真ん中に壁を作るかもしれない。ゾウやキリンやクジラやダチョウがもし来たら?
想像上のハプニングに恐れをなして、いつまでも手紙を出せないハリネズミ。鏡に映った自分自身に「もしかして、あそびにきてくれたの?」と話しかける姿がせつなすぎます。
取り越し苦労ばかりのハリネズミって私のこと?と思う人もいるかもしれない。あなたの身近な人にそっくりかもしれませんね。誰の心にもいる小さなハリネズミに共感する物語です。
Love, まっこリ〜ナ
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