今日のカフェボンボンは、夏の月夜の物語。
かぐわしい夏の夜、ハリネズミが月夜の冒険に繰り出します。ノウサギのジャックじいさんとカワネズミも加わり、麦の穂が伸びるところを見ようと麦畑へ出かけることにします。月夜のたびに麦が少しずつ伸びるというのです。
『むぎばたけ』
作:アリスン・アトリー/訳:矢川澄子/絵:片山健
出版社:福音館書店
“麦の穂がでそろって、風に揺れるとこ見ると、そりゃ胸がすうっとするものねえ。”
三匹は連れ立って、夏草の葉のそよぎや花の香りを敏感にかぎわけ、草地の露でのどをうるおしながら、小川を渡り、牧場を抜けて進んでいく。
矢川澄子さんの美しい日本語と、片山健さんののびやかな絵が魅力的。生き物たちのかすかな足音や息づかいが聞こえてくるようです。
ノイバラとスイカズラが甘く香る夏の牧場、夜風に揺れる麦の穂に、夏のさわやかな空気が満ちています。
本の作者はイギリスのダービシャー生まれのアリスン・アトリー。農場で動物たちと過ごした体験が物語に生きています。最後のページをめくるのをどうぞお楽しみに。小さなカワネズミがもうほんとにかわいいの!
ここ数日、秋の気配を感じるけれど、まだまだ名残惜しい夏の日々。『むぎばたけ』でさわやかな夏の空気を感じてくださいね。
楽しい日曜日を!
Love, まっこリ〜ナ