昔から変わらない水玉模様のおしゃれな本=サリンジャー。
今日のカフェボンボンは、『ナイン・ストーリーズ』を。
「バナナフィッシュにうってつけの日」「子舟のほとりで」など9作品を収録しています。
『ナイン・ストーリーズ』
著者:D・J・サリンジャー/訳:野崎孝
出版社:新潮社
外国の文学、とりわけアメリカ小説の面白さを最初に教えてくれたのがサリンジャーの本でした。この本は、先に読んだ『ライ麦畑でつかまえて』よりもピンときたのを覚えています。
本書は、繊細で奥深い、サリンジャーの自選短編集。都会的で一見スノッブな主人公たちの自意識や狂気をはらんだ緊張感が、9つのストーリーに凝縮されています。
物語は1940年代末から1950年代初めに書かれたもの。当時のニューヨークのディテールが随所に散りばめられていて、映画のようにイメージを喚起する。
もし映画なら……。サリンジャー作品のファッショナブルで洗練された主人公には、グウィネス・パルトロウやキルスティン・ダンストが似合う気がします。
バナナフィッシュの海のイメージのせいか、なぜか夏に読み返したくなるんです。サリンジャーは私にとって夏の文庫の定番。そして、いつの時代にあっても新鮮な驚きに出会える作品です。
よい週末を。
Love, まっこリ〜ナ