「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義」展を観に、三菱一号館美術館へ行ってきました。
今回も英国の芸術でした。
唯美主義と呼ばれる時期の作品で、時代は1860〜1900年のもの。
イギリスに巻き起こった唯美主義とは、
この時代に蔓延する醜悪さや物質万能主義、古典主義から逃れ、
「芸術のための芸術(Art for Art’s Sake)」を生み出そうとした運動です。
ただ見る人の目を歓ばせるために存在した芸術で、
主題を持たない作品が多いのも特徴です。
それらは、絵画のみならず、テキスタイルや装丁、応用芸術として住まいにまで至り、
さまざなジャンルで旋風を巻き起こしました。
その後に訪れたデカダンスは退廃的という意味で使われることが多いですが、
唯美主義が洗練された最終形でもあります。
絵画やテキスタイルの他、写真も良かったです。
写真で芸術性を出すのはなかなか難しいと思うのですが、
写真という手法を取り入れ始めた先駆けの新鮮さあり、
まだ深入りしていない繊細さありで、ちょうどいい感じがしました。
ジェイムズ・クレイグアナン、ヴィルヘルム・バロン・フォン・グローデンは
いずれの写真もよかったです。
個人的に刺激を受けたことは、もっともヨガを始めてから、
何かにつけてシンプル派で通してきたわけで、
生活全般を簡素化させてきたのですが、
社会の中でより豊かに生きていくのに、
リビングや自室、ゆくゆくは家全体を
できる範囲で少しずつデザインしていきたいなという気持ちが芽生えました。
というのも、ヨガには一部、楽しささえ削ぎ落さなければ至れないところがあると感じますが、
それは一部分でいいんだと思えた経験があったことも関係しています。
最近ヨガを深めるにしたがって、ヨガってこんなにも優しかったんだ〜と目から鱗で、
こんなにも包容力があるヨガだったら、もっともっと遊んでみようと思ったのです。
ヨガをしていると削ぎ落して削ぎ落して、余分なものがなくなっていって、
気付くと最低限の素晴らしき存在が残りますが、その経験も心境も、単なる個人的なもの。
いつまでもその経験に執着していても先に進めません。
そうでなく、むしろ、内側では自分の根本に向かう一方で、
外側ではもっと大きく羽ばたかなければ割に合わない気がするのです。
そもそも、最低限の機能的に生きることから、進化するためのヨガだったのです。
進化するために自己探究していたはずななのに、反対に不自由になってしまわないように、
ヨガをする人はもっと羽ばたいていいと思います。
さて、三菱一号館美術館の販売コーナーには珍しく、魅力的な作品がいくつも掛けられていました。
最新技術を駆使したアレではなく、むしろ、昔の、当時の本から切り抜いた挿絵だったり、
初版の版画だったり、方々から販売用に集められたコレクションです。
学芸員の説明と熱意もとても興味深くて、こんな売り場が欲しかった!なんて思ってしまうほど。
たいてい美術展のポストカード売り場では、本物との差にがっかりすることが大半ですが、
今回はまったく逆。サメロの挿画を描いたオーブリービアズリーの1907年の作品や、
1900年初の装飾図版本からの装飾図、1800年代の版画絵など、
当時のものそのまま額に入れて販売してあります。
ちょっとがんばれば手の届くプライスで、一生ものになる買い物ができるなんて
とっても嬉しい気分でした。
◎YOGA ME!ヨガの行事◎
3/8(土)「ヨガとお蕎麦の会」山形 満員になりました