今日のカフェボンボンは、『アイスクリームの皇帝』。
名翻訳家の柴田元幸が厳選した、英米詩のアンソロジー。英語の詩、日本語訳、詩をイメージした絵画が一度に楽しめる詩の絵本です。
真っ白な表紙を開くと、色鮮やかな絵が目に飛びこんでくる。電気猿や金色のワニ、ソーダ水を飲むロバ。自転車に乗ってピザを配達するミイラ……。詩の世界の住人たちが、きたむらさとしの絵になると、ことばは軽やかに羽ばたいて、プリズムみたいに輝き出す。
英米の名詩が並ぶなか、聞き慣れたことばに出会いました。それは、リザ・ロウィッツの詩「新宿駅」。心魅かれるのはこんな一節。「勇気はボクサーの顔に浮かぶ血ではなく/血がないときの彼の姿だ。」
Shinjyuku Stationとボクサーがひとつの詩のなかでつながっている。詩って楽しい。奥が深い。そしてすごくビビッド!
詩の絵本の「朝時間」は、ジョン・ダンの「だれも島ではない」より。「だれも島ではない ひとりで完結してはいない/ひとはみな 大陸の一部だ 海原の一部だ」
『アイスクリームの皇帝 Poetry in Pictures』
選・訳:柴田元幸/絵:きたむらさとし
出版社:河出書房新社
だれも島ではない。
いつもこのことばを胸に。
Love, まっこリ〜ナ
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