今日のカフェボンボンは、ボリス・ヴィアンの詩を。
ヴィアンは、作家、詩人、画家、トランペット奏者、俳優など、さまざまな分野で活躍した、フランスの天才的なアーティスト。本書は、詩、シャンソン、エッセイを収めた傑作アンソロジーです。
ボリス・ヴィアンの詩「ぼくはくたばりたくない」はこんなふうに始まる。
ぼくはくたばりたくない
夢もみずに眠っている
メキシコの黒犬たちを 知らずには
くたばりたない「わけ」のひとつひとつが想像をかき立てる。
ぼくは死にたくない
永遠の薔薇を 作ってくれるまでは
二時間の一日
山にある海
海にある山
苦痛の終り
……
39歳の若さで亡くなったヴィアン。この詩を書いたとき、死の気配をすぐそこに感じていたのか。そうでなければきっとこんな言葉は生まれない。
だけど、おれはくたばらないよ。最期まであがくんだ。
そう言ってるみたい。
ヴィアンの見果てぬ夢を思うと心が痛い。そして、読み返すたび、最高にかっこよくて自由な詩だと思う。
ヴィアンの代表作、切ない恋愛小説『うたかたの日々』(『日々の泡』)もおすすめです。
Love, まっこリ〜ナ