BLOG

最高にかっこいい詩「ぼくはくたばりたくない」

 

今日のカフェボンボンは、ボリス・ヴィアンの詩を。

ヴィアンは、作家、詩人、画家、トランペット奏者、俳優など、さまざまな分野で活躍した、フランスの天才的なアーティスト。本書は、詩、シャンソン、エッセイを収めた傑作アンソロジーです。

『ぼくはくたばりたくない』(伊東守男・村上香住子訳/早川書房)
『ぼくはくたばりたくない』(伊東守男・村上香住子訳/早川書房)

ボリス・ヴィアンの詩「ぼくはくたばりたくない」はこんなふうに始まる。

ぼくはくたばりたくない
夢もみずに眠っている
メキシコの黒犬たちを 知らずには

くたばりたない「わけ」のひとつひとつが想像をかき立てる。

ぼくは死にたくない
永遠の薔薇を 作ってくれるまでは
二時間の一日
山にある海
海にある山
苦痛の終り
……

39歳の若さで亡くなったヴィアン。この詩を書いたとき、死の気配をすぐそこに感じていたのか。そうでなければきっとこんな言葉は生まれない。

だけど、おれはくたばらないよ。最期まであがくんだ。
そう言ってるみたい。

粋な装丁のボリス・ヴィアン全集。
粋な装丁のボリス・ヴィアン全集。

ヴィアンの見果てぬ夢を思うと心が痛い。そして、読み返すたび、最高にかっこよくて自由な詩だと思う。

ヴィアンの代表作、切ない恋愛小説『うたかたの日々』(『日々の泡』)もおすすめです。

Love, まっこリ〜ナ

 

この記事を書いた人
Nice to meet you!

朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』

公式ブログ
小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

連載記事一覧

今日の朝の人気ランキング