今日のカフェボンボンは、三浦しをんの『秘密の花園』。
女子高に通う少女たちを繊細に描いた青春小説です。
『秘密の花園』
著者:三浦しをん
出版社:新潮社
那由多、淑子、翠。カトリック系の女子校に通う三人の少女たちは、誰にも言えない秘密をそれぞれ抱えている。
那由多は体の奥底に流れる水の音を聞いている。荒々しい水の流れはあふれ出る場所を探して渦巻き、彼女の秘密を押し流そうとするのだ。国語教師に恋をする淑子、幻の兄の名で弟を呼ぶ翠。翠は少女たちの学園を「小さな廃園」とよぶ。傷つき凍えそうな心と体で、三人はどこに向かうのか。
もう何度も読んでいる小説だけれど、読むたび濃密な空気に絡めとられて息苦しくなる。そしていつも、泣くのをこらえている彼女たちを、誰かしっかり抱きしめてと思う。
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Love, まっこリ〜ナ