今日のカフェボンボンは、川上弘美の『ニシノユキヒコの恋と冒険』。
真実の愛を探してさまよう男を巡る連作短編集。竹野内豊主演の映画もまもなく公開です。
『ニシノユキヒコの恋と冒険』
著者:川上弘美
出版社:新潮社
ニシノユキヒコというひとりの男について、年齢も時代も異なる10人の女たちが語る。彼の名前の呼び方が女性によって違う。ニシノさん、西野君、幸彦というふうに、彼との関係次第で変わる。
人によって呼び方が違うのは当たり前。でもそれが新鮮だった。自分にとっては「ニシノさん」でしかありえない人が、ほかの誰かにとっては「幸彦」なんだということが。
ニシノユキヒコは見かけも素敵で優しいから、女性に本当によくもてる。18歳でも50代になっても女たちがほうっておかない。だけど、彼がいくら恋愛を重ねても、真実の愛に巡り合うことはなかったのだろう。
カノコが言う。「ユキヒコ。戻れなくて、つまらないよ。ユキヒコ。時間が流れて、さみしいよ。ユキヒコ。」別れから時間をおいて語られるからこそ、よけいに切ない。
井口奈己監督の映画『ニシノユキヒコの恋と冒険』は2月8日より公開予定。竹野内豊のニシノユキヒコがすごく楽しみ!
Love, まっこリ〜ナ