今日のカフェボンボンは、『クリスマスの思い出』。
アメリカ南部の古い田舎家を舞台に描くイノセント・ストーリー。『ティファニーで朝食を』などで知られるトルーマン・カポーティの名作を、村上春樹の翻訳と山本容子の銅版画で楽しむ贅沢な一冊です。
『クリスマスの思い出』
著者:トルーマン・カポーティ/訳:村上春樹/銅版画:山本容子
出版社:文藝春秋
冬の到来を告げる朝。ぼくの従姉のスックが叫ぶ。フルーツケーキの季節が来たよ!
クリスマス・シーズンの始まりに、スックとぼくは三十個ものフルーツケーキを焼く。ピーカンの実やサクランボ、レーズンにバニラ、ウイスキーもたっぷり入った特製ケーキをね!
ふたりはおばあちゃんと孫くらい年の離れたいこと同士で無二の親友。スックは60歳を越しているのに内気な子どもみたい。スックは家から5マイル以上離れたことはないし、レストランで食事をしたことも化粧品をつけたこともない。
でも、雨の中を散歩するし、魔法のいぼ取り薬も作れるし、一番きれいなモミの木がどこにあるかも知っている……。この物語を読むたびに特別な思いがするのは、スックの無垢な魂に触れることができるからだと思う。
スックとぼくの「朝時間」は、クリスマス・ツリーを探しに行く朝。
この作品も収録した短編集『誕生日の子どもたち』とともに、クリスマス・シーズンにおすすめの一冊です。
Love, まっこリ〜ナ
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